山本徳次さん死去 – 老舗和菓子店「たねや」の名誉会長
創業150年の歴史を持つ老舗和菓子店「たねや」の名誉会長、山本徳次さんが、2025年1月26日に老衰のため死去したことが報じられました。享年85歳でした。山本さんは、和菓子職人としての技術を活かし、同社の発展に大きく寄与しました。
山本徳次さんの業績
- 三代目当主: 1966年に「たねや」の三代目として経営を引き継ぎました。
- 株式会社化: 1972年に株式会社たねやを設立し、事業を拡大しました。
- 商品開発: 植物などをかたどった精巧な和菓子や洋菓子の開発に取り組み、特に「クラブハリエ」のバウムクーヘンなどが人気を博しました。
- 全国展開: 近江八幡を拠点に、全国の百貨店や直営店を展開し、ブランドの認知度を高めました。
代表作なお菓子
山本徳次さんが関わった「たねや」の代表作なお菓子には、以下のようなものがあります。
- ふくみ天平: 皮種と餡が別々に包装され、食べる直前に合わせることで出来立ての風味が楽しめる最中です。1983年の販売開始以来、たねやの看板商品となっています。
- 本生水羊羹: 炊きあげた水羊羹を熱いまま充填し、作りたての美味しさを保持することに成功した商品です。
- 栗饅頭: 創業以来のロングセラー商品で、たねやの伝統を象徴する和菓子です。
- バームクーヘン: 1951年から洋菓子製造を開始し、改良を重ねてきたこだわりの商品で、特に「クラブハリエ」のバームクーヘンが有名です。
受賞歴と評価
- 現代の名工: 彼の職人技術は高く評価され、厚生労働大臣表彰「現代の名工」に選出されました。
- メディア露出: 山本さんは多くのメディアに取り上げられ、和菓子の魅力を広める活動を行いました。
経営理念
山本さんは、近江商人の教えを重んじ、「誠実心」を経営の根本に据え、顧客との信頼関係を大切にしました。彼は「騙されても自分は騙すな」という父の教えを胸に、商いを行ってきました。
影響と遺産
山本徳次さんの経営哲学や商品開発のアプローチは、和菓子業界において多くの後進に影響を与え、たねやは今や日本を代表する和菓子ブランドとしての地位を確立しています。
ホッソー
山本徳次さんの死去は、和菓子業界にとって大きな損失であり、彼の功績は今後も語り継がれていくことでしょう。彼が築いた「たねや」は、伝統と革新を融合させた商品を提供し続け、多くの人々に愛される存在であり続けます。葬儀は家族で営まれ、春ごろに「お別れの会」が予定されています。喪主は長男の昌仁さんが務めています。
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