スズキ元会長 鈴木修氏が死去

自動車メーカーのスズキの元会長、鈴木修相談役が2024年12月25日に悪性リンパ腫のため亡くなりました。享年94歳でした。鈴木氏はスズキを世界的な自動車メーカーに成長させた重要な人物であり、その業績は多岐にわたります。

鈴木修氏の経歴と業績

生い立ちと教育

• 生誕: 鈴木修（すずき おさむ）は1930年1月30日に岐阜県益田郡下呂町（現在の下呂市）で生まれました。
• 教育: 1953年に中央大学法学部法律学科を卒業しました。卒業後は中央相互銀行（現在の愛知銀行）に入行し、銀行業務を経験しました。

スズキへの入社と社長就任

• 入社: 1958年、鈴木自動車工業（現スズキ）の2代目社長である鈴木俊三の娘婿となり、同年4月にスズキに入社しました。
• 役職歴:
• 1963年11月: 同社取締役に就任。
• 1967年12月: 常務取締役に昇進。
• 1973年11月: 専務取締役に就任。
• 1978年6月: 代表取締役社長に就任し、スズキの経営を担うことになります。

経営者としての業績

• 軽自動車の開発: 社長就任後、1979年に軽自動車「アルト」を発売し、これが大ヒットしました。アルトは、当時の排ガス規制に対応した新型エンジンを搭載し、コストを抑えた製品として市場に受け入れられました。
• ワゴンRの発売: 1993年には「ワゴンR」を発売し、軽自動車市場のさらなる拡大に寄与しました。
• 海外進出: 1981年にはゼネラルモーターズ（GM）との業務提携を進め、1983年にはインド市場に進出。これにより、スズキはインドでのトップメーカーとしての地位を確立しました。

役職の変遷

• 会長職: 2000年6月から代表取締役会長（CEO）を務め、2008年には再び社長職に復帰しましたが、2015年には長男の鈴木俊宏に社長職を譲り、会長職に留まりました。
• 相談役: 2021年6月25日の株主総会で会長を退任し、相談役に就任しました。

受賞歴

• 勲章: 1987年に藍綬褒章、2000年には勲二等旭日重光章を受章しました。また、日本自動車殿堂にも名を刻んでいます。

6. 最後の時

鈴木修氏は2024年12月25日に悪性リンパ腫のため亡くなりました。彼の死は自動車業界にとって大きな損失であり、彼の業績は今後も多くの人々に影響を与え続けることでしょう。

ドラゴンズファンとしての鈴木修氏

鈴木修氏は大の中日ドラゴンズファンとして知られていました。彼は以下のようにドラゴンズを支えました。

• ドアラのスポンサー: 1994年にドアラがマスコットとして誕生した際、スポンサーとしてドアラの背中にスズキのマークを入れるなど、物心両面でドラゴンズを支えました。
• 沖縄キャンプの訪問: 浜松後援会を率いて沖縄キャンプに訪れ、選手たちを応援しました。
• 選手への激励: 今年2月には北谷球場を訪れて立浪監督を激励し、6月には浜松球場で中日2軍の井上監督に「優勝目指して」とエールを送るなど、積極的に応援していました。

反響と評価

鈴木氏の死去に際して、トヨタ自動車の豊田章男会長は「憧れのおやじさん」として彼の功績を称え、軽自動車の発展に寄与したことを評価しました。また、全国軽自動車協会連合会も、鈴木氏の業績を称賛し、彼の貢献は語り尽くせないとコメントしています。

静岡県の鈴木知事は、鈴木氏を「おやじのような存在」とし、深い喪失感を表明しました。地域社会でも彼の貢献を評価する声が多く寄せられています