少女漫画の先駆者高橋真琴さん死去、食堂胃接合部がん

高橋真琴さんの訃報とその業績

漫画家で少女画家の高橋真琴さんが、2023年11月17日に食道胃接合部がんのため千葉県の病院で亡くなりました。享年90歳でした。高橋さんは日本の少女漫画界に多大な影響を与えた人物です。

高橋真琴さんの主な業績

1. 少女漫画の先駆者
   • 高橋さんは1953年に漫画家デビューし、雑誌「少女」にて「あらしをこえて」を連載しました。この作品は多くの読者に支持され、彼女の名を広めるきっかけとなりました。
2. 独自のスタイル
   • 彼女の描く少女たちは、きらめくような瞳と繊細な表情が特徴で、少女漫画の典型的なスタイルを確立しました。このスタイルは後の多くの漫画家に影響を与えました。
3. イラストレーターとしての活動
   • 高橋さんは「少女フレンド」や「りぼん」などの雑誌の表紙や口絵を手がけ、文具などの商品デザインにも携わりました。彼女の作品は、視覚的な美しさと物語性を兼ね備えたものが多く、広く愛されました。

経歴の詳細

• 生い立ちと教育
  • 1934年8月27日、大阪府大阪市に生まれる。3人兄弟の長男として育ち、1947年に東中学校に入学し、図書室で少女雑誌に触れ、叙情画に興味を持つ。
• キャリアの始まり
  • 1953年、榎本法令館から『奴隷の女王』で貸本漫画デビューを果たし、1957年には雑誌『少女』にて「悲しみの浜辺」でデビュー。
• 活動の展開
  • 1958年からはバレエ漫画を発表し、人気を博す。1963年に千葉県佐倉市にアトリエを移し、1987年には「真琴画廊」を開廊。
• 展覧会とコラボレーション
  • 1992年に初の個展を開催し、以後定期的に新作を発表。2013年にはロリータ・ファッションブランドとのコラボも行った。
• 近年の活動
  • 2018年には佐倉市の親善大使に任命され、2023年には画業70周年を記念した展覧会を開催。

食道胃接合部がんとは？

食道胃接合部がんは、食道と胃の境目に位置する部位に発生するがんです。このがんは、食道と胃の接合部から上下2cmの範囲にがんの中心が存在するものとして定義されます。近年、食道胃接合部がんは独立した疾患として認識されるようになっています。

特徴

• 発生部位: 食道と胃の接合部に発生し、食道がんや胃がんとは異なる性質を持つことがあります。
• がんの種類: 食道胃接合部がんには、食道がんに近い「扁平上皮がん」と、胃がんに近い「腺がん」があります。

原因

• 逆流性食道炎: 胃酸が食道に逆流することによって発生する逆流性食道炎が、食道胃接合部がんの原因の一つとされています。特に、肥満や食習慣、高齢化がリスク要因とされています。

症状

• 主な症状: 嚥下困難（飲み込む際のつかえ感）、逆流症状（胸やけ）、嚥下時の痛みや不快感、食欲不振、体重減少などが見られます。

診断と治療

• 診断方法: 内視鏡検査やCT、PET-CTなどを用いて診断が行われます。内視鏡的粘膜切除や手術が治療法として選択されることがあります。
• 治療法: 症状が早期に発見された場合は内視鏡での切除が可能ですが、進行した場合は手術が必要となります。手術は、腹腔鏡や胸腔鏡を用いて行われることが多いです。

最後の別れ

告別式は近親者のみで行われ、喪主は長男の英樹さんでした。高橋真琴さんの死は、多くのファンや同業者にとって大きな損失となりました。彼女の作品は、今後も多くの人々に愛され続けることでしょう。