川田順造さんの訃報と業績
日本におけるアフリカ研究の先駆者として知られる文化人類学者、川田順造(かわだ・じゅんぞう)さんが、2024年12月20日に誤嚥性肺炎で死去しました。享年90歳でした。川田さんの葬儀は近親者のみで行われる予定です。
川田順造さんの経歴
学歴と初期のキャリア
- 東京大学: 川田さんは東京大学で文化人類学を専攻し、学問の基礎を築きました。
- 助教授としてのキャリア: 1976年に東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所(AA研)に助教授として採用されました。
教授職と研究活動
- 教授昇任: 1984年にAA研の教授に昇任し、1997年に定年退職するまでその職にありました。
- 名誉教授: 定年退職後、東京外国語大学名誉教授の称号を授与されました。
- 広島市立大学: 退職後も広島市立大学で名誉教授として活動しました。
- 神奈川大学: 日本常民文化研究所特別招聘教授としても教鞭を執りました。
研究プロジェクト
川田さんは多くの共同研究プロジェクトを組織し、以下のようなテーマに取り組みました:
- 口頭伝承の比較研究(1983~1987年)
- 音・図像・身体による表象の通文化的研究(1995~1997年)
- ニジェール川大湾曲部諸文化の生態学的基礎及び共生関係の文化人類学的研究(1986~1994年)
- アフリカにおける音文化の比較研究(1995~1997年)。
受賞歴
- 文化勲章: 2021年に文化勲章を受章し、その業績が広く認められました。
研究成果
川田さんは、非文字コミュニケーションの研究において「口頭伝承論」の領域を切り開き、多くの論文や著作を発表しました。主な著作には「無文字社会の歴史」や「ヒトの全体像を求めて」などがあります。
川田順造さんの業績
アフリカ研究の先駆者
川田さんは、日本におけるアフリカ研究の第一人者として広く認識されています。特に、西アフリカの無文字社会における文化や伝承の研究に注力し、その成果は多くの学者に影響を与えました。
文化の三角測量
川田さんは「文化の三角測量」という理論を提唱しました。この理論は、ヨーロッパ、西アフリカ、日本の三つの文化を比較し、それぞれの文化の特性を明らかにするものです。
ホッソー
川田順造さんの死は、日本の文化人類学界にとって大きな損失です。彼の業績は、アフリカ研究の発展に寄与し、特に無文字社会の研究において重要な位置を占めています。川田さんの理論や著作は、今後も多くの研究者に影響を与え続けることでしょう。彼の貢献は、文化人類学の分野において永遠に記憶されることでしょう。
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